REPORT 2

5つの機能をもった
「セミ パブリック・オフィス」で

社内外すべての人が
働きやすい空間をつくれました

パナソニック株式会社 ライフソリューションズ社

大阪府門真市大字門真1048

写真:ファシリティマネジメント部
 資産企画課 三箇祥哲 様

人々の「くらし」に関わる事業を幅広く展開しているパナソニック株式会社 ライフソリューションズ社。大阪の門真市にある広大な敷地内では多くの人が働き、さまざまな建物や部署があります。その中でも多くの人が訪れるのが第二別館です。以前は閉鎖的で、来訪者向けとは言い難いスペースでしたが、100周年を機にリニューアルが行われ一新。「DAYS OFFICE」をはじめとする什器や多くのパナソニック製品を取り入れることで生まれ変わり、開放的で明るい空間になりました。今回はプロジェクトの中心メンバーであるファシリティマネジメント部資産企画課の三箇さんに話を聞いてきました。

  • 陽の光と照明の光が融合した雰囲気のよい空間。太陽の自然光と照明の光が融合した落ちつきのある空間。
    • 画像長いウォールシェルフは圧巻。飾っている商材に自然と目がいく工夫がされています。
    • 画像担当者の三箇さん。

1.プロジェクト発足のプロセス

100周年リニューアルのため
アンケートを実施。

アニバーサリーを機に働き方改革を加速

リニューアルが行われたきっかけは、パナソニック株式会社100周年を機に発信されたメッセージでした。「A Better Life」をテーマに、働き方改革の一環として多くの人が訪れる第二別館のロビー空間のオフィス改革(リニューアル)が決定。ワークスタイル変革のためのオフィスとして、門真エリアにその役割が求められました。

会社側、社員、社外の人に改革に向けた
アンケート調査

リニューアルにあたり、会社側からは「1つの空間でありながらも働く場所の選択ができ(ABW)、多様なコミュニケーションを生む場にしたい」という強いメッセージが発信されました。そこで社員の声を集めるため、実際に第2別館に勤務する約600名にアンケートやヒアリングを実施しました。

社員の声で多かったのは、「社内だけでなく、社外の人も気軽に使える働きやすい空間にしたい」、「作業する内容に合わせた場所で働きたい」、「イベントを行える場が欲しい」、「就職活動の学生や取引先に自社のことを知ってもらうスペースを設けたい」というものでした。

取引先などからは、「打ち合わせの前後など空き時間に気軽に利用できるスペースが欲しい」という声がありました。本社のある門真エリアにはさまざまな部門が入っています。特に第二別館は多くの取引先と待ち合わせや打ち合わせをすることが多いため、そのように感じていた人が多かったようです。

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    リニューアル前のロビー空間。吹き抜けで開放感のある空間だが、ややさみしい印象。

2.空間リニューアルの必要性

社内と社外をつなぐ
「中間領域」へのチャレンジ

集まった声から見えてきた課題

三箇さんによると、社内・社外から集まった多くの声のおかげで、課題が明確になったそうです。当時のロビー空間にあるミーティングスペースは高いパーティションで区切られた、暗い印象の個別ブースでした。特に社外の人が気軽に利用できる空間ではなかったそうです。

働く場所についての課題も浮き彫りになりました。「第二別館では、オフィスができた当時の想定よりもかなり多くの人数が働いていました。ロビーの共有部分に働くスペースを設けることで窮屈感を緩和するとともに、建物全体をより効率的に活用することを考えました」(三箇さん)。さらに社員からは、他部門とコミュニケーションが取りにくいという意見も。実は多くの社員が、横のつながりを取りやすくしたいと望んでいたのです。

また「松下幸之助歴史館」や「ものづくりイズム館」、「Wonder LAB」など、情報発信施設がエリア内に点在。そこで第二別館に商材展示の場をつくることでそれらにつながりを生み、エリア回遊を通じて自社の活動や商品をより知ってもらいたいと思いました。

これらの声から社内、そして社外をつなぐ中間領域が必要だと考えました。

DAYS OFFICEによりロビー空間の
多機能オフィス化を実現

三箇さんたちが課題を踏まえて挑戦したのが、ロビー空間の多機能オフィス化でした。社内・社外問わず多様な人々が集い「知恵・情報が集まる」、シーンに応じて働く場所を可能とする、「セミ パブリック・オフィス」を目指しました。機密性の高いオフィス内では難しいですが、共有のロビー空間であれば可能です。

そこで「DAYS OFFICE」が提案したのは、大きなひとつのロビー空間に5つの機能を共存させるというもの。今までは受付や簡単な打ち合わせができるだけだった空間を、「エントランス」、「ライブラリー」、「集中ゾーン」、「ミーティング」、「カフェ」の5つのエリアに分けました。大きな壁などではなく、シェルフなどでゆるやかに空間を分けることで、吹き抜けを活かした明るく快適な空間に生まれ変わりました。

「エントランス」にはパナソニックの無人受付システムを設置。受付裏のステージには、イベント利用も可能なステージがつくられました。キャスターやフラップ機能付きテーブルを使ったため、セミナーやワークショップなど状況に応じてレイアウト変更がしやすいエリアとなりました。

働き方の課題については多様なスペースを設けることで解決。個人ワークに専念したいときは「集中ゾーン」、リラックスしてコミュニケーションをとりたい時は「ライブラリー」や「カフェ」など。ワーカーが目的に合わせて選べるようにしました。

「ライブラリー」には学生や取引先など社外の人に自社商材を知ってもらうため、ウォールシェルフを採用。抜け感のあるシェルフは表裏のどちらからも展示が見えるので、普段は見れない商材の裏側もしっかり見える仕組みに。またウォールシェルフの側面パネル内に配線を隠すことができるため、パナソニックのスリムライン照明を美しく設置することができました。

商材と並ぶインテリア小物のコーディネートは、グループ会社のパナソニックホームズが担当しました。ワークスペースにストレス軽減ソリューションのために置かれた植栽も、パソナ・パナソニック ビジネスサービス社が担当。多様なビジネスに取り組むグループの総合力を活かすことで、より洗練された空間に仕上がりました。

「ミーティング」スペースにも、背の低いウォールシェルフを設置。住宅用の照明とラグを設置することで、リラックスできるリビングライクな打ち合わせスペースになりました。

    • 受付裏のイベントスペース。
    • 棚には商材だけでなく、おしゃれな小物も設置。
    • 抜け感のあるシェルフを使うことで、商材の裏側も見せることが可能に。
    • ストレス軽減ソリューションのため、生木の植栽を配置。

予算をおさえながら大きな変化が可能に

リニューアルを行うにあたり、求められるのは目に見える変化。「一目見て変化を感じてもらうことが重要だと思いました。一方限られた予算の中でバランスを取る必要もあり、葛藤しました」(三箇さん)。壁や床、家具などすべて変えてしまうのは大がかり。既存の壁や家具の「良い所」は残しつつ目に見える変化を生み出す上で「DAYSOFFICE」の特徴である、既存の内装を活かしながら居心地のよい空間を演出できる方法は理想的でした。

    やわらかに仕切られているリビングライクなミーティングスペース。

3.導入後の成果

「DAYS OFFICE」で
初めての人でも使いやすいオープンな空間に。

ワークスペースとして利用する人が増加

さまざまな機能のエリアができたことで、ワークスペースとして利用する頻度が上がったと社員から好評です。可動式のフリップトップを置いた「カフェ」は、打ち合わせ人数によって自由にテーブルを動かしやすいと高評価。このエリアには自社の住宅用照明を使ったため、家にいるようなリラックスした気分で仕事ができるそう。窓際を中心に配置された「集中ゾーン」も、利用者ですぐに埋まってしまうほど人気です。

    • 窓際の集中ゾーン。
    • 景色が見通せる中2階のカフェ。開放感を感じる大きなテーブルを配置。

想定以上の大人数を収容できる
イベントスペース

「エントランス」裏のイベントステージには、プロジェクター・スピーカーを設置。セミナーやワークショップなど、色々なイベントで使われるようになりました。家具がフレキシブルに動かせるため、当初の想定を超えて70~80名のイベントができたほどです。また新社長就任の際には、イベントステージから中継で新社長のスピーチを発信。このセミパブリック・オフィスが社のシンボルになったと感じられる出来事でした。

ウォールシェルフで囲まれた「ライブラリー」も、イベントに活躍。学生向けのセミナーなど、少しクローズ感を演出した方がよいときに活用されています。

社外の人たちからも好評の声が

「スタイリッシュで社外の方を招くのにふさわしい場所になったという声が、社員から上がっています」(三箇さん)。打ち合わせなどで早く到着した人にとっても、気軽に利用できるスペースができてうれしいという声も。今では利用者の約半数が、社外の人で占めているそうです。

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    取材中もいろいろな場所で打ち合わせが行われていました。誰でも気軽に使いやすい雰囲気が感じられます。

利用ルールをつくって使いやすさを改善

はじめの頃は運用ルールがはっきりしていないところがあり、イベントスペースの使い方や利用時間が伝わっていないことがありました。つくりっぱなしでは利用率が上がらないため、月に一度は運営委員会を開催。ルールをきちんと決めて問題点を改善するようにしています。

また当初は外部の人が利用をしていいのかわかりにくい状態でした。そこでサイネージを使いメッセージを発信。運営開始時にビッグカウンターキャビネットにステッカーを貼りつけてサイン表示しましたが、利用者の声を取り入れて入口付近にもサインを追加。自販機やトイレへの導線が、よりわかりやすくなりました。

「当初、課題としていたことはリニューアルによりほぼクリアできました。使っていくうちに見えてくる改善点は、今後も運営委員会でアップデートしながら使いやすくしていきたいと思います」(三箇さん)。

    • 画像ビッグカウンターキャビネットにステッカーを貼り付ることで簡単にサインを表示可能。
    • 画像誰でも利用可能を伝えるスポットライト型プロジェクター「スペースプレーヤー」。運営開始後もアップデートされている。

ココがよかった「DAYS OFFICE」

1
ひとつの空間に機能の異なる5つのエリアを共存。
働き方に合わせて選べるワークスペースが誕生し、社内外の人が利用しやすくなった。
2
明るく開放感のある雰囲気に。快適な空間で社外の人を招きやすくなった。
3
フレキシブルなレイアウトが可能なイベントステージが誕生。
さまざまなイベントが開催可能に。
4
ウォールシェルフの特性を活かし、ゆるやかに空間を仕切ると同時に
ショーケースのようにわかりやすく自社商材をアピールすることができた。
5
家具や壁など元々あるものを活かしつつ、空間を変えることができた。
株式会社 Fun Japan Communications

パナソニック株式会社 ライフソリューションズ社

https://panasonic.co.jp/ls/

住宅やオフィス、商業施設など街や社会を形づくる領域や、自転車や車室空間などのモビリティ領域まで人々のくらしに関わる事業を展開。「A Better Life」をテーマに、お客様の暮らしに寄り添う、快適な空間を届ける。


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