研修の計画を立てる

研修担当者に必要なスキル3:研修の全体像と個別の学習内容を明確にしよう

2018.09.04
 

「どの研修」を
「いつ」「誰に」受けてもらうかを整理する

前回は「研修の目的(WHY)」についてお話ししました。今回は「何をやるのか(WHAT)」「どのようにやるのか(HOW)」という研修の計画について考えます。

まず、研修計画を立てる前に次のものを用意してください。1つは「人材育成方針」。これは前回お話ししたもので、実施する研修の軸がぶれないために必要です。2つ目は「現状課題」。これも前回紹介しましたが、研修の優先順位を決めるときに使います。3つ目は「過去の研修資料や研修会社のパンフ・提案書」。4つ目は「社員名簿と採用計画」。どの職位、どの年代に何人の人がいるのか、将来の人材バランスはどうなるのかを把握します。

次に、「何をやるのか(WHAT)」の視点で作成するものが5つあります。

①全体計画一覧表
どのような研修があり、誰が何を受けるのかが一覧でわかるもの。たいていは、縦軸に職位、横軸に研修タイトルを取り、「新人研修」「コミュニケーション研修」など個別の研修を、受けてもらう職位にあてはめて一覧にします。

②個別研修概要表
各研修の学習ポイントがわかるもの。例えば「コミュニケーション研修」ではどういうことを学び、どんなスケジュールで行うのか、その概要をA4で1枚程度にまとめます。

③中期研修スケジュール
場当たり的にならないように、3~5年スパンで行う研修を明確にしておきます。

④今期研修スケジュール
この1年間、具体的にいつどの研修を実施するのかがわかるもの。

⑤研修予算表
今期の各研修の必要経費の積み上げと、来期以降、毎年の概算費用がわかるもの。

研修の学習ポイントを把握し
内容のヌケ・モレ・ダブリを防ぐ

この5つの中で、特に大事なのは②の「個別研修概要表」です。各研修の学習ポイントを明確にする。これをしないと、「この前受けたコーチング研修と、今回受けた管理職研修の内容って半分以上同じじゃない?」といったことになりかねません。ですから研修担当者としては、この研修で学ぶポイントはこの3つ、次の研修のポイントはこの2つ、など、学習ポイントのヌケモレやダブリのないように棚卸しをしておくことが必要です。

研修を研修会社に依頼している場合、個別の研修内容については研修会社からの提案待ち、というパターンも多いかもしれません。しかし、研修会社に任せきりにならないようにしましょう。まずは研修担当者自身が、最低限必要な学習ポイントは何かということを把握した上で、研修会社を選ぶときにそれのヌケモレがないかを意識してください。

また、複数の研修会社から研修の提供を受ける場合は、内容にダブリはないかも確認しましょう。さらに、学んでほしい学習ポイントが提案に入っていなかった場合は、「こういうコンテンツもできますか?」と聞くようにしましょう。

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研修の分類は次の4種類で整理してみましょう。

①思考スキル系(論理思考、クリエイティブ思考等)
②対人スキル系(マナー、プレゼン等)
③専門知識系(営業系知識、管理職知識等)
④マインド系(自立型人材、リーダーシップ等)


対象者を明確にし
年間の研修スケジュールを立てる

最後に、HOWを考えます。社員名簿と採用計画を使い、世代別(縦軸)・対象別(横軸)の人数を調べてみましょう。今年どの研修を何人の人が受けるかが見えてきます。

一緒に研修を受ける人数は、多くて30人、理想は24人程度です。多すぎると講師の目が届かなくなったり、発表で当たる回数が減ったりしてしまいます。ですから、例えば研修を受ける社員が100人いたら、25人ずつで4回必要だなとわかり、それをふまえて研修のスケジュールを立てることができます。



下地 寛也(Shimoji Kanya)
コクヨ㈱入社後、行動と環境(創造性、コミュニケーション、場のあり方等)に関する研究・分析を担当。2003年より、クライアントの企業変革のコンサルティングや研修コンテンツ企画を担当する。著書『コクヨの3ステップ会議術』(中経出版)、『コクヨの1分間プレゼンテーション』(中経出版)、『コクヨの5ステップ ロジカルシンキング』(中経出版)、『コクヨの「3秒で選び、2秒で決める」思考術』(中経出版)、『コクヨのコミュニケーション仕事術』(総合法令出版)


作成/コクヨ

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