社外講師の選び方

研修担当者に必要なスキル8:研修講師は「双方向のやりとり力」で選ぼう

2019.03.27
 

研修会社の2つのタイプ

この連載の第1回で、研修担当者には3つのスキルが必要だというお話をしました。戦略企画スキル、運営調整スキル、研修講師スキルの3つですが、今回はその3つ目、研修講師スキルに関わるテーマについて考えます。研修会社や社外講師をどう選ぶか、というテーマです。

研修会社は数多くありますが、一般的な研修を頼むとすれば、大きく分けて2つのタイプの研修会社が存在します。1つは、いわゆる大手研修会社でパッケージ化されたテキストを持っており、複数の講師が同じ研修内容を実施することができる会社です。もう1つは、研修講師仲介会社というもので、フリー(もしくは少人数の会社)の研修講師を紹介してくれる会社です。研修内容は講師によって異なりますが、1つのテーマでも複数の講師を紹介してくれ、自社に合った講師を選ぶことができます。

両者には、それぞれ一般的に以下のようなメリット・デメリットがあります。

大手のメリットは研修内容がパッケージ化されているので質が高く安心感があること、デメリットは値段が高いこと、カスタマイズ対応をあまりしてくれないことでしょう。一方、講師仲介会社のメリットはタイプの違う講師を複数紹介してもらえること、比較的リーズナブルなこと、カスタマイズ対応をしてくれることなど、デメリットは講師の質にバラつきがあり見極めが難しい、病気などで休むと代替がいないことなどでしょう。

講師は質問への答えで見極める

ある程度、研修会社の目処がついたら実際の講師に会ってみましょう。講師の方と話すときに注意したいポイントは、こちらの質問に対して的を射た答えが返ってくるかどうか、です。これだけでよい講師かどうかが分かると言っても過言ではありません。というのも、研修とは単なる座学ではなく、双方向のやりとりの中で行うもの。受講者の質問に対して、ちゃんとその人が知りたいことを返してあげられるスキルがあるかどうかは非常に重要です。このスキルは、演習がうまく進まないときに的確なアドバイスができる、発表に対してよいコメントができるといったことにもつながります。ライブの進行に臨機応変に対応できるかどうかはやはり重要なのです。

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ただ、研修講師も初対面では緊張するもので、実際の打ち合わせでの受け答えと、本番の研修の受け答えがまったく異なる雰囲気になる講師もいます。ですから、可能な限り実際の研修を見に行くか、研修のデモをしてもらい本番の雰囲気を確認した方がよいでしょう。

そのときに注目したいのは、研修で学ぶべき学習ポイントと、講師が話す具体的事例がきちんとつながっているかどうか。例えば、上司と部下のコミュニケーションについての研修で「部下の話を聞く」という学習ポイントがあったとき、自分にも部下がいたときにこんなことがあって、と講師が自身の経験を話したとします。その内容が学習ポイントにしっかり対応していると、聞いている側の納得感も高くなります。

学習ポイントは講師が違ってもほとんど変わりません。ロジカルシンキングの研修であれば「結論と理由(根拠)をしっかり言う」「MECEを意識する」といったポイントは誰が講師でも同じなわけですが、「MECEは例えばこういうときに使いますね」という具体例を出すときに差が出てくる。そこにおもしろさがあり、納得感が高いといい講師だと思います。

また、難しい言葉や専門用語を多用していないかも注意しましょう。受講者が「よく分からないな」という表情をしたとき、それをきちんと察知して分かりやすい言葉で言い換えたり、説明を補ったりしてくれる講師がよいでしょう。



下地 寛也(Shimoji Kanya)
コクヨ㈱入社後、行動と環境(創造性、コミュニケーション、場のあり方等)に関する研究・分析を担当。2003年より、クライアントの企業変革のコンサルティングや研修コンテンツ企画を担当する。著書『コクヨの3ステップ会議術』(中経出版)、『コクヨの1分間プレゼンテーション』(中経出版)、『コクヨの5ステップ ロジカルシンキング』(中経出版)、『コクヨの「3秒で選び、2秒で決める」思考術』(中経出版)、『コクヨのコミュニケーション仕事術』(総合法令出版)


作成/コクヨ

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