コクヨファニチャー株式会社
コクヨの教育空間

「未来の教室プロジェクト」慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)

未来の教室のあるべき姿を探求するプロジェクト

 

 KMDは設立後10年間、教員や学生が刺激を与えあう文化や環境づくりに取り組んできました。
「人間の思考や行動パターンを変えるため、教室らしくない空間をつくりたい」という稲蔭正彦教授の想いから、2018年5月に「未来の教室プロジェクト」がスタートしました。
 プロジェクトはKMDの教員・研究員とコクヨ側からはプロダクトデザイナー・教育環境プランナー・ワークスタイル研究員など多様なメンバーで構成されました。

 大学を取り巻く環境は現在大きく変化しつつあります。SOCIETY5.0時代に大学が輩出すべき人材像の変化、またオンライン授業やMOOCsといった多様な学び方の出現。そのためプロジェクトではKMDで行われている授業での教員・学生の行動観察から課題を抽出するだけではなく、2030年のリアルな教室では何を育むべきかというバックキャスティング思考を導入し、議論を重ねました。

 その結果、最も注力すべきは「創造性」を育む学修環境造り。教員も学生も創造性を思い切り発揮しながらコラボレーションをし、イノベーションを起こせる環境こそが重要であると考えました。そのため学修環境としては、創造性を発揮し易いリラックス状態にするため、自然界のエッセンスを取り入れたバイオフィリックデザインの効果に着目しました。またICTの活用で遠隔でコミュニケーションができる時代にリアル空間ならではの効果として、体を動かしながら学習する身体的学習(embodied learning)にも着目しました。

 こうして約2年間にわたるプロジェクトの結果、空間のコンセプトと要件を内装と家具に反映させ、2020年3月にKMDの未来の教室へのリニューアルは実現しました。

1:エコシステムを意識したランドスケープデザインの教室設計

L20020009_02_630.jpg

 教室での教員との距離の違いや方向性を取り払うことによって教員と学生、また学生同士がよりフラットな関係でのコミュニケーションが可能となるように計画しました。
学生全員が同じ方向に向かって座る配置は「座らされている」「やらされている」といった印象につながります。自由でリラックスした感情を醸成するため、学生の席の配置はランダムなレイアウトを基本設定とし、壁全面のホワイトボードと2面のプロジェクションを活用することで固定的な方向性をなくしました。
これらのレイアウトの工夫に加え、芝生と石畳をモチーフにしたカーペットの貼り分けや多彩な家具の色彩によって、自然界のエコシステムをモチーフとした学修環境をデザインしました。

2:身体的学習(embodied learning)

kmd1.jpg

 グループごとのディスカッションでは、参加者全員が議論に参加しやすい距離感や視認性を。また立ったり座ったり、全員が立ち上がっての作業など多様な学びのスタイルを実現するため上下昇降テーブルを採用しました。また、展示発表会など教室の用途転換時の活用も想定し、フラップして省スペースで収納ができ、キャスターで手軽に動かせるようにしました。ホワイトボードは、教員と学生間の視認性を高め、活動状況を可視化するため、板面に透過性のあるアクリル板を採用し、上段と下段の2か所に配置しています。アクリル板は取り外して利用することも可能なため、グループのテーブル上でアイデアを書き出すこともできます。体を積極的に動かし、その体験と思考を連動させることで深い理解が得られる身体的学習の実践におけるアクティビティを促します。

3:バイオフィリックデザインの家具

kmd2.jpg

 議論から導かれた空間コンセプトの一つであるバイオフィリックデザインを家具にも反映しました。同じ色や形が存在しない自然界のエコシステム。画一性のない色彩やパターン、自然を感じる素材感や、手触り感などを可能な限り家具の設計・デザインに取り入れています。リラックスを促進するだけでなく、思い思いの場所に立ったり座ったり、フラットな関係でコミュニケーションを促進するためにも本プロジェクトの重要なエッセンスとなりました。

2021.05.14
自動接地アジャスターにより置くだけで床に馴染む講義机ユレーヌ。 手間をかけずに講義や試験に集中できる環境を作ります。

ニュース

ソリューション

  1. トップ
  2. トピックス
  3. 「未来の教室プロジェクト」慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)
TOP