コクヨファニチャー株式会社
コクヨの教育空間

実践的アクティブラーニングを実現する機能的な講義空間

〜城西大学 事例レポート〜

1965年に開設され、経済、現代政策、経営、理、薬の5つの学部を擁する城西大学。緑豊かな自然に囲まれた坂戸キャンパスでは、約7,000名の学生が勉学やスポーツに勤しんでいます。近年、教育現場にアクティブラーニングが定着するなか、ここ城西大学でもアクティブラーニングが可能な講義空間の整備を進めています。学びのかたちの変化に伴い、2018年に水田記念図書館内に「ラーニングコモンズ」を設置。さらに2019年には、新築の22号館にアクティブラーニングに対応できる「セミナー室」を設置しました。今回は、これらの教室でどのようなアクティブラーニングが行われているのか、教員、職員、学生の皆さんにお聞きし、実際の授業見学を通じて、実践的アクティブラーニングをレポートします。

 

教室の雰囲気やデザインは、学生の意欲や学習効果にも影響する

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「大教室で行う多人数を対象にした講義は"知識を落とし込む場"、少人数のゼミは"(落とし込んだ)知識を使う場"と位置付けている」と話すのは、経営学部マネジメント総合学科の田部渓哉助教。2017年度から城西大学で教育・研究にあたり、ゼミ形式の授業では学内のセミナー室を積極的に活用しています。専門は広告論や消費者行動論。ゼミでもメディアを通した宣伝・広告戦略などを扱っています。



「ゼミは学生が自分の頭を使ってアウトプットする時間、つまり、アクティブに学ぶ時間にしたいと考えています。基本的には90分の授業の前半は学生が持ち回りでプレゼンテーションを行い、後半はグループごとに課題に取り組むグループワークの時間にあてています。セミナー室では机の移動がスムーズかつスピーディーに行えるので、効率的に時間が使えていると感じます」(田部先生)

 

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現在は、可動式の椅子・机やICT機器のそろうセミナー室でゼミを行なっている田部先生ですが、かつては旧来の一般的な講義室を使っていました。

「いわゆる"普通"の、何の設備もない、椅子も机も動かしにくい、会議室のような部屋でした。そういう環境では学生の主体的・協働的な学びは生まれにくいですし、部屋の雰囲気や什器のデザインで学生のモチベーションや学習効果も変わってくると思うんです」(田部先生)

 

田部先生のゼミで学ぶ経営学部マネジメント総合学科3年の相薗守唯(しゅい)さんも、こう話します。

 

「田部先生がおっしゃるように、講義室全体の雰囲気って、僕たち学生にとってすごく大事だと思います。家具がスタイリッシュなデザインだとテンションが上がりますし、授業に向かう気持ちも変わります。あとは、机の移動がスムーズだと気分がいいですね。CALM(22号館のセミナー室に配置されている机)はキャスターロックを解除するボタンが天板近くにあって、使い方を教わらなくても感覚的につかむことができました」(相薗さん)

 

 

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自分とは異なる人たちと協働する力を身につけてほしい

続いて、実際の授業(ゼミ)の様子を見せていただきました。見学したのは、水田記念図書館7階のラーニングコモンズで行われた2年生の「基礎ゼミⅡ」と、22号館 セミナー室で行われた3年生の「ゼミナールⅠ」。どちらも大きな流れや取り組む課題は同じです。まず、最初の15分間は、学生1名がプロジェクターを使ってプレゼンテーションを行います。ある企業を取り上げ、その宣伝・広告戦略を実際のテレビCMやポスターなどを挙げながら分析・考察。プレゼンの後には、学生による質疑応答と田部先生からの講評があります。

 

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後半の約70分は、グループワークの時間です。22号館で行われた授業では、これまで前を向いていた学生たちが一斉に机(CALM)を移動させ、4、5人のグループごとに島を作ります。陣営の変形は驚くほどスムーズで、まさにあっという間。さっそく、グループごとにノートパソコン(大学備品)を囲んで話し合いを始めます。学生たちが取り組んでいるのは、某交通広告コンテストへの応募課題。所定の4つの課題から1つを選び、グループごとに実際の交通広告をコンセプトからキャッチコピーやデザインまで、一から自分たちで作り上げていきます。メンバー同士のディスカッションが順調に進んでいるグループもあれば、プロセスが上手く進まず、ディスカッションが停滞しているグループもあります。田部先生は教室内を歩き回りながら、そんな学生たちに声をかけ、ときには思考や着想のヒントを提示します。

 

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こうしたアクティブラーニングを通して、田部先生は学生に「自分とは異なる人たちと協働してプロジェクトを進める力」を身につけてほしいと言います。



「社会に出たら、自分と気が合う人ともそうでない人とも、互いを尊重し協力して仕事をしなければなりません。そして、そうした力は仲の良い友だちと組んでいるだけでは育まれません。グループの組み合わせを私が決めているのには、そういう意図があるのです。多様な人と協働すること、物事に主体的に関わることを通して、どんな人にも敬意を持って接することのできる学生を育てたいと思っています」(田部先生)

 

能動的学習空間を整備し、学生により良い学びの場を提供する

城西大学では、田部先生のようにアクティブラーニング型の授業を取り入れる先生も増えてきました。教務部教務課の平野宇洋さんは、「学生の学びをより充実したものにするために、先生方からどんどん要望を出していただきたい」と述べる一方で、職員側も教育環境について、積極的に情報を収集し提案をしていくなど、意識改革が進んでいると述べます。



「先生方からのご要望やご意見を待っているだけでなく、私たち職員も新しい学びのあり方やそれを支える設備を積極的に導入していこうとしています。



 近年は、外部の講演会やメーカーの展示会に参加するだけでなく、特色ある環境整備を行っている大学へ見学に行くなど、できるだけたくさんの情報を得るようにしています。もちろん、限られた経営資源の中でできることとできないことがあります。例えば、アクティブラーニング型の授業が増えると、どうしても教室のキャパシティは縮小します。限られた敷地面積、教室規模に対して、変化していく授業方法にどのように対応できるのかは、今後の課題です。」(平野さん)

 

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また、田部先生は、今後の目標についてこう述べます。 「アクティブラーニングをさらに有効なものにするためにも、学生にとって身近なスマートフォンを使った講義設計などにも挑戦したいと考えています。今はさまざまなツールが出ていますから、例えばオンラインでアンケート調査をしたり、データ分析で広告の効果を測定したりすることも可能です。学生には自分のやりたいことを実現する術として、そういう手法を知っておいてほしいと思います。将来、困難に直面した際に、どうしたら問題を解決できるか、そのマインドやプロセスを学ぶのが大学という場なのです」(田部先生)

 

20181022_2-1.jpg写真左から、教務部教務課・平野宇洋氏、経営学部助教・田部渓哉先生、

経営学部マネジメント総合学科3年・相薗守唯さん

城西大学では今後も、実践的なアクティブラーニング型の授業ができる空間の整備を進めていく予定です。そのベースには、学生により良い学びの場を提供したいという、教職員の熱い想いがあるのです。

 

城西大学 22号館「セミナー室」で採用した家具

CALM

【デスク/CALM(一人用)】

講義空間に美しく調和し、アクティブラーニングに対応できる講義室用デスクです。天板フラップと連動し、自動的にキャスターロックを解除できます。また、天板裏のキャスターロック一時解除スイッチを押すことで、机上に教材等を広げたまま動かすことができるため、講義室内でのアクティブラーニングがスムーズに行えます。

(CALM製品ページ)

https://www.kokuyo-furniture.co.jp/manabi/product/calm.html

 

 

2019.12.05
変わる職員室:吉川市立美南小学校

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