コクヨファニチャー株式会社
コクヨの教育空間

変わる職員室:吉川市立美南小学校

働き方改革の視点で職員室のあり方を考える

 平成25年度に開校した吉川市立美南小学校。近隣の開発により当初の予想以上に児童の数が増え、教員の数も職員室のキャパシティを超えるようになりました。会議室を改装して第二職員室を作る案も出ましたが、「教職員の一体感や意思疎通のしやすさを維持・改善するために、なんとか今あるスペース内で収めたかった」と清水孝二校長。しかし、従来と同じ規格の机では収まらなかったため、教育委員会に新規購入の予算計上を依頼しました。



 その際に重視したのが、「働き方改革」の視点です。業務改善と教職員同士のコミュニケーションの活性化を軸に、文部科学省の「業務改善アドバイザー」に任命されているコクヨ株式会社の齋藤敦子と一緒に、限られたスペースをいかに有効に使うか、いかに働きやすい空間にするかについて、議論を深めていきました。教育総務課の丹羽啓輔氏は、「専門家から働き方改革の視点でアドバイスをいただくなかで、従来のままのレイアウトでは良くないというのが私たちの間で共通認識として広がり、変更すべきだと判断した」と振り返ります。



 今回、カギとなったのが、学校、学校教育課、教育総務課の密な連携です。「垣根を越えて連携できたのは、お互いに足を運んで顔を見て話す機会を意識的に作ってきたからこそ」と学校教育課の野見山伸一氏。昨年まで教育委員会にいた清水校長も、「大切なのは現場主義に徹すること。教育委員会の人間が普段から現場を見て、現場の声を聞いていれば、たとえ現場の要望を叶えられなかったとしても、現場も納得してくれる」と言います。



 そして今夏、ついに職員室がリニューアル。「執務空間を確保するために、とにかくものを減らした」と清水校長。資料の電子化によるペーパーレス化や資料・物品の共有化を進め、レイアウトもがらりと変わり、スッキリ明るく自由な雰囲気の職員室へと生まれ変わりました。

 

注目ポイント1:管理職の席を中央に配置

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 「明治時代から職員室の形態は変わっていない」と清水校長が揶揄するように、管理職の席は慣習的に職員室の端に置かれてきました。管理職と教員とがコミュニケーションをより取りやすくするため、民間企業のノウハウを取り入れ、今回は管理職の席を職員室の中央に配置。「距離が近くなったことで、教員一人ひとりの表情まで見えるようになり、声も聞こえてくるので何が起きているかがわかるようになった。自分の席にいながら気軽に声がかけられるので、心理的な距離も近くなったように感じる」と清水校長は言います。

 

注目ポイント2:デスクをコンパクト化

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 従来のサイズの机では人数分入りきらないことから、コンパクトなデスクを採用。机の上には極力ものを置かないこととしているので、時間帯によっては二人分のデスクを使って広くワークススペースを確保することも可能です。また、手軽に席が移動できたり机自体を動かせたりするよう、机に引き出しはついておらず、教員は各自のロッカーに荷物を入れます。「毎年、年度末・始めに席を移動するのが大仕事だったが、これなら短時間でパッと移動できる」と清水校長。現在は学年チームごとに島になっていますが、将来的にはフリーアドレス制にすることも想定しています。

注目ポイント3:モバイルバッグを導入

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 教員は教室移動が多く、従来はエコバッグやカゴなど各自が用意したものを使用して教材やノートを持ち運んでいました。しかし、バッグやカゴが机の上に置かれたままになってしまうこともあり、個人情報管理の面からも課題となっていました。そこで、学校の備品としてモバイルバッグを導入。鍵のついた個人ロッカーにバッグごと入れられるので、管理がよりしやすくなりました。教員にも好評で、「他の学校に異動しても個人的に購入したい」という声も届いているそうです。今後は、研修などでより効果的な使い方の事例紹介も予定されています。

 

Key Person

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吉川市立美南小学校校長 清水孝二氏(中央)

吉川市教育委員会教育部学校教育課学校支援担当副主幹 野見山伸一氏(右)

吉川市教育委員会教育総務課管理係主事 丹羽啓輔氏(左)



 

今後の展望

 業務改善は整理整頓から始まります。不要なものは捨てる、余計なものを置かない、すぐに出せない資料をなくす。せっかく素晴らしい職員室ができたので、これをより快適な空間にできるよう、改善活動を続けていきたいと思います(清水校長)。



 職員室が変わったことの効果は数字だけでは測れないかもしれませんが、先生たちの意識が変わることで子どもたちの教育にも良い影響が出ることは間違いないと思うので、美南小学校の実践を吉川市全体に広げていきたいと思います(野見山氏)。



 現場や他部署と連携してプロジェクトを進めることの重要さを実感し、財源の効果的な使い方の好例でもあると思うので、今後はこの経験を他校の案件にも活かしていきたいと思います(丹羽氏)。

 

本取組について吉川市教育委員会教育長 戸張利恵氏よりメッセージをいただきました。

 これまで本市では教職員が児童生徒と向き合う時間を確保し、教育の質の向上を図ることや教職員がよりよく協働することができる職場環境を目指して「働き方改革」を進めてきました。私は、働き方改革は教職員の意識改革にかかっていると考え、この度コクヨ株式会社ワークスタイル研究所の齋藤敦子氏のアドバイスのもと職員室改善に取り組みました。美南小学校の職員室のレイアウトを大きく変えたことで教職員が主体的に働き方を考え、効率よく仕事をし、より前向きに児童に関わることができるようになったと感じています。またファイリングや効果的な共有スペース活用等の実践を他校にも広げていきたいと考えています。

 

美南小職員室で採用した家具

デスク/ワークフィット【デスク/ワークフィット】
執務用テーブルやミーティング用テーブルにも使えるキャスター付きのテーブルです。2台以上のテーブルを連結するときは、脚を内側に付けることができます。脚を移動させることで、脚前に座ることができるため、人数増減にも対応できます。

 

個人ロッカー/エディア【個人ロッカー/エディア】
フリーアドレスやグループアドレスなど、様々な働き方に対応する、メール穴付きのパーソナルロッカーです。

 

収納/エディア【収納/エディア】
カウンター天板と組み合わせることで、収納スペースをクイックミーティングや軽作業スペースとして有効活用することができます。

 

モバイルバック/モ・バコ【モバイルバック/モ・バコ】
ファイルボックスのようにそのままロッカーに収納でき、必要な時にそのまま取り出せるモバイルバックです。教室間の移動にも活用できます。

 

 

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