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新校舎建設と働き方改革の両輪で挑む"変わる近大"~「近畿大学 東大阪キャンパス」事例レポート~

2017年4月、大規模リニューアルで生まれ変わった近畿大学東大阪キャンパス。その中心となる「ACADEMIC THEATER(アカデミックシアター) 」は、さまざまな角度から知的好奇心を刺激し、能動的な学びを促進する文理の垣根を越えた学術拠点です。そして、それは学生に限った話だけではありません。書類削減、事務局のフリーアドレス化により、職員の働き方も大幅に改革されたのです。施設リニューアルと働き方改革、両面から目指した「変わる近畿大学」。その狙いと効果についてレポートします。

図書館を中心とした斬新で先進的な学術拠点

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甲子園球場12個分という広大な敷地を有する近畿大学東大阪キャンパス。文系5学部、理系3学部、短期大学の入るこのキャンパスを舞台に「超近大プロジェクト 」と題した一大リニューアル事業が進められています。その柱は、互いに結びついた5つの建物から構成される「ACADEMIC THEATER」の新設。そこには、学生の使い勝手の良さを追及し、生活スタイルに寄り添った、知的好奇心を刺激するさまざまなアイデアが詰め込まれています。

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たとえば24時間利用できる自習室は、スマートフォンのアプリから利用予約が可能。とくに理系学部のレポート提出時期には、深夜にも大勢の学生が利用します。さらに女性専用室も完備されていることから、利用者全体の3割強が女性というデータも。学生専用アプリは総ダウンロード数1万回に届く勢いで、学生の学びをサポートしています。

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また、図書館は、本への間口を広げることを念頭に独自の「近大INDEX」を採用。テーマに沿って文理や美術等の専門書が混在することにより、新たな本への興味を誘引することが狙いです。さらに大学図書館では珍しく、2万冊以上の漫画も配架。まず手に取りやすい本で、図書館に足を運ぶきっかけを作ることを目指しました。結果、書籍の貸出冊数は、以前の約2倍に増加しています。

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ほかにも、産学連携・学部横断プロジェクトの舞台となる個室型スペース、海外のニュースを身近に感じる大学初のCNNカフェ、実社会との繋がりを支援する発信型オープンホールなど、さまざまな視点から学生を支援するスペースも多数。これにより年間来場者数は、オープンからわずか4ヶ月で以前の図書館の3倍を越える50万人を突破しました。

 

なんと書類7割削減。職員が団結して難題に挑む。

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施設リニューアルと並行して行われた、職員の働き方・意識改革。まず手をつけたのが、文書削減でした。「社会のさまざまな要請に応える形で、大学の果たすべき役割は増加しています。すると比例して印刷物も増加します。なまじ保管する場所が多いものですから、書類の量は膨大でした」そう話すのは、近畿大学総務部長補佐・仲上徹氏(上写真)。そして『書類が多いこと』と『職員間で情報を共有できていること』はイコールではありませんでした。ときには紙ベースの資料が必要なこともありますが、その重要性に対して、いざ必要となったときの検索性が低かったのです。「とにかく探している時間が長かった」と仲上さんは振り返ります。

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そんなときに持ち上がったキャンパスリニューアル。新しい環境となる今をおいて、実行に踏み切れるタイミングはない。そんな思いから書類削減を決意しました。スペースの有効活用と、検索性の向上。削減の主な目的は、この2つでした。設定した目標は7割減。一般的に4~5割でも難しいといわれるなか、高いハードルを掲げました。

最初の取り組みは、捨てること。まずは処分日を設けてデスク周りを精査、明らかに不要な書類を物理的に捨てることからスタートします。「この一日で驚くほど大量に廃棄しました。しかしそれよりも、増える一方だった現状から、減らすという方向に転じた気持ちの変化が大きかったと思います」(仲上さん)目に見えて削減される書類に、成果を見出しただけではなく、スペースができたことによりフットワークがよくなったとの印象もあったようです。

続いては日を改めて、キャビネットと倉庫スペースの調査と、書類の廃棄。キャビネットには収納されている書類の一覧を貼り付け、検索性の向上に努めます。さらにここからは、減らす作業と並行して、増やさないためのルール作りも進めます。ノートPCやタブレットを活用して、その日のスケジュールもWEB上にアップ。そもそも印刷をしない、という意識改革が進められました。ここには利便性ももちろんですが「せっかくすっきりしたのだから」という心理的な働きもあったといいます。

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第3回の削減活動では、必要書類の電子化も実施。部署単位で共有フォルダを作成し、情報共有の確実性が上がりました。さらに決裁書は電子化することで、書類削減だけではなく、決裁そのもののスピードアップにも繋がりました。近畿大学の文書削減コンサルティング業務を請け負った、コクヨ㈱ワークスタイルイノベーション部の古川貴美子はこう述べます。活動前は「7割も削減できるのか?」と現場に不安がありました。活動の目的と、いつまでに・誰が・何をすべきか明確に発信し、イベントごとに現場を回り、目標を達成いただきました。また、文書管理運用テクニックをご提案し、働き方を変えるという意識変革も重要なポイントでした。習慣化したことを変えることは容易ではありませんが、1年半の活動を通じて確実に変わっていただいていると思います。

多彩なメリットを持つ事務局のフリーアドレス化

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書類削減と並ぶ働き方改革は、事務局のフリーアドレス化。施設リニューアルを機に事務局各部署で幅広く採用されました。もちろん固定席にもメリットはあります。近席の職員同士はチームワークが高まり、また自席を働きやすいように作り上げることもできたかもしれません。しかしフリーアドレスのメリットは、それらを考慮しても余りあるものだと仲上さんはいいます。

「固定された席にいると、働き方、考え方まで固定されるのではないか。もっと風通しの良い働き方が必要なのではないか。まずそういう目標があり、そのための手段がフリーアドレス化でした」

現在は、毎日帰り際にクジになったカラーボールを引いて、翌日の席を決めるスタイル。資料や私物は、可動式のキャビネットに入れ、帰る際には壁際に寄せておきます。デスク上はクリアにし、資料はキャビネットに入る分だけ。文具も部署間で共有化し、最小限必要な物だけを置いています。毎日情報を整理する習慣は、先述の書類削減にも役立っています。

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もちろん、メリットはそれだけではありません。共同部署でのフリーアドレスは、部署の垣根を越えた情報の横展開が容易になります。スタンディングの打合せテーブルにより、無駄なく情報共有が可能になります。部長は全席から目の届く中央の円型デスクに座るため、必要時にすぐに話せる環境。事実、職員同士、職員と上長の会話の頻度は劇的に上がったといいます。

「メリットしかありません。とりわけ気持ちの変化が大きいですね。かつては自分の席にいることが働くことになっていました。今は“何をするか”に重点が置かれています」フリーアドレスの長所を尋ねると仲上さんはこう答えました。

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斬新で利便性の高い「ACADEMIC THEATER」による魅力創造と、職員の働き方改革。その両輪の重要性を「超近大プロジェクト」を主導する総務部長・世耕石弘氏(上写真左)は繰り返します。「キャリアやグローバルという言葉とともに社会からさまざまなノルマが課される大学。業務内容拡大に対応するには、職員の仕事の質を上げるしかありません。“先端の近大”を維持するために生産性の向上は欠かせない要素なのです」

2020年の工事完了まで、さらなるリニューアルが続く近畿大学。物と人の両輪による改革で、いっそう魅力的なキャンパスに生まれ変わりそうです。



●コクヨメンバー

文書管理コンサルティング/コクヨ㈱ワークスタイルイノベーション部 古川貴美子

近畿大学様担当/コクヨマーケティング㈱関西支社 医療教育営業部 東川武史

 

2017.09.26
もっと"快適"に!もっと"クリエイティブ"に!先生の働き方を変える5つのヒント

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