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キャンパスのなかの小さな"外国"!?  多様な語学学習を支える空間〜 「帝京大学 TeLaCo」事例レポート〜

帝京大学八王子キャンパス」の「TeLaCo(Teikyo Language Commons)」は、2016年9月にプレオープンし、2017年4月から本格稼働が始まった外国語学習ラウンジです。この場所では、「Global Kitchen」を含めて用途の異なる5つのスペースを活用した語学学習が行われています。異文化にふれ、海外への興味を育み、外国語への理解を深める……。さまざまな角度から学生の語学学習をサポートする「TeLaCo」をレポートします。

海外のカフェのような外国語学習ラウンジ

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八王子の小高い丘の上に広がる「帝京大学八王子キャンパス」は、文系学部を中心に多くの学生が学ぶキャンパス。2017年度入学者を対象に「外国語学部 全員留学制度」をスタートするなど、グローバルな人材育成に力を入れる同学を象徴する学びの空間のひとつが「TeLaCo」です。

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2016年9月に同キャンパス本館1階にオープンしたTeLaCoに足を踏み入れると、外国人スタッフを囲んでラウンジで談笑するグループや、ライブラリースペースで英文の資料を読み込む男子学生、ガラス張りの個別ブースの中で映画を英語で鑑賞する女子学生などの姿がありました。あちこちから聞こえてくる外国語の響きや、大きな吹き抜けが印象的なラウンジスペース、落ち着いた雰囲気のインテリア……。ふと、海外のおしゃれなカフェに迷い込んだかのような錯覚を覚えます。

「TeLaCoは、学内で行われている語学教育全般の学生サポート機能をひとつのスペースに集約した外国語学習ラウンジ。英語だけでなく、フランス語やドイツ語、スペイン語、中国語など、さまざまな語学の学習支援を行っています。一般的な学習空間ではホワイトやパステルカラーを基調とした空間が多いのですが、TeLaCoではあえてブラックやダークブラウンのインテリアを使い、学内にある他施設との差別化を図っています。この場所に入った瞬間に、『なんだか外国にいるみたい』、『外国語でコミュニケーションを取るってカッコいい』と感じられるような、小さな“異空間”を作りたかったのです」とは、帝京大学・企画グループの須田正豊さんです。

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「英検やTOEICといった明確なゴールを持つ学生の学習支援はもちろんですが、『英語が苦手』という学生が外国語講師とのコミュニケーションを通じて異文化への興味を育める場所であることがTeLaCoの大きな役割です」(須田さん)

役割の異なる5つの空間を回遊する

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帝京大学八王子キャンパスの本館1階に広がるTeLaCoは、機能の異なる5つの空間で構成されています。本館のメインエントランスを入ってまず目に飛び込んでくるのが「Global Square」。大きな吹き抜けを持つカフェテリアのような空間には大小のテーブルとチェアのほか、150インチの大型スクリーンも配されています。大テーブルではちょうどネイティブ英語講師を囲んでのディスカッションが進行中。ドリンク片手に活発に意見交換する様子が印象的です。

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「『Global Square』は、人や情報にふれることで新たな気づきを得るための場所。個人やグループの学習スペースとしてはもちろん、常駐するネイティブスタッフとの会話や外国語映画の上映やトークセッションを楽しめる空間になっています。TeLaCoの中心に位置するこのスペースを起点に、専任スタッフが常駐するサポートデスクや個別ブースを備える学習スペース『Global Study』、グループワーク向けスペースが配置された『Global Park』、本格的な設備を備えたキッチンスペース『World Kitchen』、プレゼンテーションやセミナーなどに利用できる『Active Learning Room』を回遊することで、外国語への学びを深められることがTeLaCoの大きな特長です」(須田さん)

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たとえば「Global Square」の右手に位置する「Global Study」は、ダークカラーのインテリアが印象的な自学習スペース。壁一面に配されたライブラリーには、1500冊もの語学学習関連書籍がずらり。TOEICや英検関連の書籍や辞書はもちろん、地図や外国語に翻訳されたマンガ、外国語の映画DVDや音楽CDなども豊富に揃っています。また、リスニングやスピーキングの練習に使える個別ブースやシアタールームが配されていることも、外国語学習ラウンジならではの空間的エッセンスです。

 

「『Global Study』は、学生が外国語の知識を蓄積する場。ライブラリーには専門的な参考書のほか、英語が苦手な学生の興味を刺激するような蔵書やDVDを揃えるようにしています。6室の個別ブースと2室のシアタールームはそれぞれPCを備えており、音声入りの教科書や多言語学習アプリなどの利用も可能。個別ブースは6室では足りないほどの人気ぶりです」(須田さん)

 

「Global Study」の利用者数は、2016年12月の段階で1日120名ほど。現在はさらに利用者が増加しているといいます。

キッチンで異文化交流が加速する

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多彩な空間が共存するTeLaCoでも、ひときわ目を引くのが円形ソファやプロジェクター、可動式チェアなどが配された「Global Park」とその隣に位置する「World Kitchen」です。外国語の知識を応用・活用されるために設計されたこれらスペースでは、学生たちがグループディスカッションやプレゼンテーションの練習などを行うほか、本格的なキッチンを活用した異文化交流イベントが開催されています。

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「本場のフレンチトーストを作るフランス語のイベントやかぼちゃのカービングやデコレーションを楽しむハロウィンイベントなど、外国人講師や留学経験のあるスタッフが参加型のイベントを数多く企画しています。外国の『食』を体験したり、テーブルを囲んで『共同作業』を楽しんだり……。異文化コミュニケーションのきっかけとして、キッチンがとても大きな役割を果たしています」とは、TeLaCoの運営を担当するユニタス外語学院 帝京校の統括部長・甲斐美千代さん。ユニタス外語学院 帝京校には、外国人スタッフをはじめ50名以上の外国語講師が在籍。同学での必修英語の授業や学内での英会話講座のほか、TeLaCoには常時2名以上の外国語講師を配置。学生とのコミュニケーションや学習支援を行っています。

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クリスマスやハロウィンのイベントでは、昼休み限定のイベントに連日30名〜40名の学生が参加。各イベントは基本的に英語などの外国語を使って行われますが、「語学があまり得意ではない」という学生も多く参加したといいます。

 

「学生同士で教え合ったり、身振り手振りを交えながらなんとか意思疎通したり……。英語の苦手な学生も含めて、多くの学生が和気藹々とイベントを楽しむ姿が印象的ですね。帝京大学には、これまで海外文化と接点がなかった学生も多いのですが、自分なりのスタンスで外国人とコミュニケーションを取れるという自信や気づきは、彼らが社会に出たときに大きな財産になると思います。今後も月に5〜6回のペースでさまざまな異文化交流イベントを企画する予定です」(甲斐さん)

帝京大学らしい語学学習ラウンジを

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2017年4月に本格稼働したTeLaCoでは、新入生の必修英語の時間を一部利用してフロアツアーを行うなど、授業と連動した周知活動なども積極的に進めています。また、プロジェクターや可動式のデスク・チェアを備えた「Active Learning Room」で教職員向けの英語講座を開講するなど、学生だけでなくキャンパス全体の語学学習を支える空間として活用され始めています。では、この先のTeLaCoの展望とは、どのようなものなのでしょうか。

 

「短期的な目標としては、空間の利用率を上げていくことが大切だと考えています。定期セミナーやイベント、他大学との交流などを増やし、『いつ訪れても何かが起こっている場所』にしたいと考えています。また、常駐する外国語スタッフや学生チューター、ファシリテーターも増員し、さらに気軽に外国語でのコミュニケーションを経験できる空間にしたいと思っています」(甲斐さん)

 

また、その先に思い描くのは、「帝京大学らしい語学学習スペース」を実現することだと須田さんは言います。

 

「帝京大学にはネイティブ並みに語学ができる帰国子女から、外国語に苦手意識を持つ学生まで、さまざまなタイプの学生がいます。英検やTOEICを目指したハイレベルな学習支援から海外文化に興味を持つきっかけづくりまで、外国語学習に関わる幅広い興味を刺激できる場所を実現していくことが、この先の大きな目標です。他大学の語学学習スペースと積極的に情報を交換しながら、帝京大学生にフィットした空間を作っていくことが何よりも大切だと考えています」(須田さん)

 

グローバル化が進む現在、語学は「できる人」だけでなく、あらゆる人々に必要なツールになりつつあります。帝京大学八王子キャンパスの「TeLaCo」には、多様な学生が外国語への関心を広げ、深めるためのさまざまな仕掛けが散りばめられていました。

 

 

 

 

 

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