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社会人を巻き込む知の拠点へ。都心型キャンパスの挑戦~「関西大学梅田キャンパス KANDAI Me RISE(カンダイミライズ)」事例レポート~

大阪の中心部・阪急梅田駅から徒歩5分ほどの好立地に、2016年10月にオープンした「関西大学梅田キャンパス KANDAI Me RISE(以下:KANDAI Me RISE)」。関西大学創立130周年を記念して設立された8フロアの都心型キャンパスでは、地域と社会人、そして大学をつなぐ様々な試みが行われています。人々が知識を深め、思考し、アクションを起こす“考動の場”として、新たな学びのカタチに挑戦する空間。KANDAI Me RISEのレポートをお届けします。

大阪の中心にオープンした、“学びの複合施設”

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KANDAI Me RISE フロア別概要

(引用元:http://www.kansai-u.ac.jp/umeda/about/index.html)

 

1886年に関西で初めての法律学校として開校した関西法律学校を前身とし、13の学部と16の大学院・研究科を擁する私学の雄、関西大学。千里山キャンパスや高槻キャンパス、堺キャンパスなど多彩なキャンパスを持つ同学の最新のキャンパスとなるのが、大阪の中心地に位置するKANDAI Me RISE。都心の景観に溶け込んだスタイリッシュな外観が象徴する通り、良い意味で“大学らしくない”全8フロアのキャンパスは、地域と社会人、そして大学をつなぐための多彩な空間で構成されています。
 
たとえば1階と2階に設置された「TSUTAYA BOOK STORE(STARBUCKS COFFEEを併設)」は、街に開かれたパブリックスペース。店内には同学の学生だけでなく周辺で働くビジネスマンや近隣の専門学校に通う学生など、多くの人で賑わっています。また、2階の一角には起業家のスタートアップ支援窓口となる「STARTUP CAFE」も配置されています。
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3、4階には会員制異業種交流サロン「KANDAI Me RISE 倶楽部」(写真)と多目的ルーム「KANDAI Me RISE ラボ」が。3階のワンフロアと4階の半分ほどを占めるフロアには、ライブラリーやソファのほか、ミーティングスペースやワークスペース、レンタルロッカー、電話ブースなどが点在。ビジネスマンを対象にした、大人の雰囲気が漂っています。

 
5階に学生の就職支援を行う「キャリアセンター梅田オフィス」、6階〜7階を大学院や生涯学習で活用する教室やセミナールーム、最上階となる8階には講演会や大規模なセミナーが行われる大ホール「KANDAI Me RISEホール」を設置。KANDAI Me RISEを歩くと、カフェでレポートを作成する学生や、サロンで資料と向き合うビジネスマン、教室で講義を受ける社会人……など、実に多様な人々の姿が。8フロアで構成されたKANDAI Me RISEは、まさに“学びの複合施設”“といった印象です。

 

地域×社会人×大学が描く、学びの未来に挑戦する

「創立130年の節目に誕生したKANDAI Me RISEは、全学の共有財産となる空間。ひとつの学部や大学院が独占して使うのではなく、梅田という立地のポテンシャルを最大限に活かしながら、これまで取り組めていなかった学びの可能性にチャレンジする場として考えています」とは、同学梅田キャンパスオフィス事務長の服部真人さん。KANDAI Me RISEでは「スタートアップ支援」と「会員制異業種交流サロン」、「社会人学び直し・生涯学習機能」を3つの柱とし、地域と社会人、大学がともに発展できる知の拠点であることを目指していると言います。

 

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「たとえば2階にあるSTARTUP CAFEは、ブックカフェの一角ということもあり、誰でも気軽に立ち寄れる雰囲気。起業支援を通じて大阪全体を元気にする場である一方、学生たちに『起業という選択肢もある』という多様なマインドをセットする役割も担っています。大学としては在学中や卒業後すぐの起業を推奨しているわけではありませんが、これからは自分で仕事を作っていく能力が求められる時代ですし、就職した企業内で社内ベンチャーなどを経験することもあるでしょう。この場を通じて多様な働き方の選択肢にふれることは、学生にとっても財産になると思います。STARTUP CAFEには起業を支援するコーディネーターが常駐し、無料で相談が可能。また、税理士業の専門家や銀行による無料相談会や起業をテーマにしたセミナーやイベントを開催しています。週2〜3回のペースで行われているイベントには、学内学外を問わず毎回30名ほどが参加。多彩なバックボーンを持つ人々が集い、KANDAI Me RISEのブランド認知にも貢献しています」

 

梅田という土地の、ポテンシャルを活かす

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大阪の中心地である梅田は、会社帰りのビジネスマンにとっても利便性の高い場所。社会人教育や生涯学習も、KANDAI Me RISEが持つ大きな役割のひとつです。各教室やホールでは、大小様々なセミナーや講義、講演会を実施。社会人や学生など多くの人々が参加しています。恵まれた立地と特定の学部に属さないKANDAI Me RISEだからこそ生まれた、新たな発想もあると服部さんは言います。

 
「学部を横断した講座やイベントが企画できることも、梅田キャンパスができた大きなメリットだと思います。たとえば『ココロカフェ』という社会人を対象とした心理学講座が企画されているのですが、これは5つの学部に所属する心理学に係わる教員8名が自発的に企画してくれたもの。コーヒーを片手に様々な角度から「心」の面白さを紹介するイベントで、千里山キャンパスやその他キャンパス単体では生まれなかった発想だと思います」(服部さん)
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4F 多目的ルーム "KANDAI Me RISE ラボ"

 

たとえば4階の多目的ルームは、セミナーや講演後のレセプションスペースとして幅広く活躍する空間です。250㎡ほどの広々とした室内には、移動式のテーブルや椅子を配置。プロジェクターやスクリーンなども設置され、用途に応じてフレキシブルに使用できる空間となっています。また、シンプルなキッチンを備えたカウンターテーブルも特徴のひとつ。ドリンクやフードを提供できる空間は、講師と学生、登壇者と受講者の距離を縮めるフランクなコミュニケーションの場にもなっているそうです。

 
梅田という好立地は、もちろん学生にとっても大きなメリット。KANDAI Me RISEでは、他大学との合同のゼミなども実施。5階にある「キャリアセンター梅田オフィス」は、「就職活動の合間に立ち寄れて情報を集められる貴重な空間として、今後機能していくと思います」と服部さん。

 

出会いが化学反応を生む。学びのためのサードプレイス

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3F 会員制異業種交流サロン "KANDAI Me RISE 倶楽部"

 

3階のワンフロアと4階の半分ほどを占める「KANDAI Me RISE 倶楽部」は、同キャンパスの特徴を物語るシンボリックな空間です。

 
ビジネスパーソンを対象としたコワーキングスペース兼サロンとして開かれた空間を歩けば、大テーブルやソファスペースなどを備えたコミュニティエリアをはじめ、ミーティングに使える個室や個人用の集中ブース(写真左下)、深々と腰掛けて読書するのにぴったりのリラクゼーションペース(写真中央下)など、実にさまざまな空間が。仕事、スキルアップ、リラックスなど、さまざまなシーンでの活用を想定して設計されていることがわかります。また、控えめに音楽が流れ、ファブリックを採用した家具などがゆったりと配置された空間には、大学のラーニングコモンズとはひと味異なる大人の雰囲気が漂っています。
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会員制異業種交流サロン "KANDAI Me RISE 倶楽部" フロアマップ

(引用元:http://www.kansai-u.ac.jp/umeda/meriseclub/index.html)

 

「KANDAI Me RISE 倶楽部」の正会員費用は校友(卒業生)・教職員が年一括50,000円、一般は年一括で70,000円。オープンからわずか3ヶ月と少しで、会員数は120名。校友を含む大学関係者と一般の割合は6:4ほどで、今後5年間で600人程度の規模を見込んでいると言います。

 
「仕事帰りに集中できる学習スペースとして訪れる方、コワーキングスペースとして使う方、人的ネットワークを広げたいと考えている方……など、『KANDAI Me RISE 倶楽部』の利用目的は会員によって様々。運用状況をみながら柔軟に促え、自発的に活用できるスペースであることを心がけています」と服部さん。
 
企画当初は無料のサロンにする案もあったそうですが、あえて有料にしたのは第一線で活躍する30代〜40代のビジネスパーソンに、自宅とも職場とも異なる第三の場として積極的に利用して欲しかったからだと言います。
「人と人のつながりから生まれた化学反応をきっかけに、イノベーションを起こす。それが『KANDAI Me RISE 倶楽部』という場が持つ大きな目標のひとつです。関大には長い歴史を持つ卒業生による校友会があるのですが、規模があまりに大きいため中には入りにくい人もいるかもしれません。そんな彼らが校友や外部の人々と出会い、刺激を受け、人脈を広げていく場所になればと考えています。先日、会員を対象にした交流イベントを企画したのですが、当時およそ100名だった会員のうち、50名ほどが参加してくれました。今後も会員同士のつながりを促進する試みを積極的に行っていきたいですね」
 
起業支援や生涯学習機能を通じて社会に貢献すること。梅田という立地を最大限に活かした柔軟な教育を行うこと。校友や学生をはじめとする様々な人々をつなげ、イノベーションを起こしていくこと。KANDAI Me RISEには、地域や社会人に対して開かれたキャンパスだからこそ生まれた、大学の新たな可能性が凝縮されていました。

 

 

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