コクヨファニチャー株式会社
コクヨの教育空間

学びはもっと自由になれる! アクティブラーニングスタジオの可能性とは ~九州工業大学「MILAiS」事例レポート~

議論や発表、グループワークなどを通じて、学生がより能動的に学習に参加する「アクティブラーニング」。伝統的な講義型授業の枠にとらわれないこの学習スタイルは、新たな教育の在り方としてすでに定着しています。では、より良い「アクティブラーニング」を実現するために必要な教育空間とは? 今回は九州工業大学に開設されたグループワーク向け教室「MILAiS(みらいず)」の事例をもとに、今の「アクティブラーニング」の姿と、未来の可能性を探ります。

新たな学習スタイルとして定着したアクティブラーニング

01.png

アクティブラーニング授業を実施している大学は、すでに9割以上。実習や議論、発表を繰り返し行うことで、学生が能動的に授業に参加するアクティブラーニングは、すでに学習スタイルのひとつとして定着しています。

02.png

アクティブラーニングを行う大学のうち、74%はアクティブラーニング専用の教室があります。一方、伝統的な一斉講義型教室など従来の教育空間で、アクティブラーニングを行っている大学も26%に上ります。

03.png

アクティブラーニング授業で最も多く行われているのは「議論」で約30%。中でも、学生が主体となる「議論」、「実習」、「発表」に7割以上の時間が使われています。

プロジェクトで目指したもの、 それは、学びの『未来図』を描くこと

04.JPG

福岡県北部に3つのキャンパスを置く九州工業大学。1907年に創立された私立明治専門学校を前身として1949年に新制国立大学として開校した同学に、“新たな教育のカタチ”を模索するプロジェクトが生まれたのは、2010年のことでした。

 

「学習の『未来図』を描こう、という願いを込め、2010年に始まったのが『MILAiSプロジェクト』です。具体的に目指していたのは、チーム・ベースド・ラーニングを授業に取り入れ、学生一人ひとりが能動的に授業に参加できる学習環境をつくること。そして、その目的のために設計・建設されたのが、グループワーク向け教室『MILAiS』なのです。」とは、同学学習教育センター・准教授の宮浦崇さん。

 

マサチューセッツ工科大学のTEALスタジオ、東京大学KALSなど、プロジェクト発足当初、すでに国内外のいくつかの大学では、チーム・ベースド・ラーニングをはじめとする「アクティブラーニング」をテーマにしたスタジオ型教室が展開されていました。それらの事例で得られた知見を活用しつつ、九州工業大学ならではの教室空間にこだわったことが『MILAiSプロジェクト』のポイントのひとつです。

 

「先進事例をそのままコピーした環境に学習スタイルを合わせるのではなく、自分たちが実現したい学びのカタチに合わせて空間をつくることが大切。私たちは、そう考えていました。自分たち、学生たちにとって本当に必要な空間や設備とは何か。その点を考えるために教員たちが協議を重ね、実際にパイロット(先行試作)教室で授業を繰り返しながら、最終仕様を確定していきました。」(同)

 

05-06.jpg

2011年4月には、飯塚キャンパス(情報工学部)にグループワーク向け教室棟「MILAiS」がオープン。さらに2014年に4月には、戸畑キャンパス(工学部)に、2つめとなる「MILAiS」が開設されました。

 

環境に学びを合わせるのではなく、学びに環境を合わせてゆく

07-08.jpg

九州工業大学の飯塚キャンパスと戸畑キャンパスにある、ふたつの「MILAiS」。いずれも100名以上で使用できる広々としたスペースを持ち、可動式のテーブルや椅子、ホワイトボード、プロジェクター、映像入力端子、Wi-Fiアクセスポイントなどを備えた教室となっています。しかし一方で、これらふたつの「MILAiS」には、「学びにあった空間をつくる」という思いを象徴するかのような小さな“違い”があります。

 

「飯塚キャンパスの『MILAiS』では、人数に合わせて自由に組み合わせることのできる『勾玉型テーブル』を51台備えています。一方、戸畑キャンパスの『MILAiS』では、勾玉型テーブル27台と四角型の1人用フラップテーブル54台を併用しています。工学部のある戸畑キャンパスでは、授業中に図面を引く設計や製図のニーズもあるため、四角いテーブルを採用しているのです。もちろん、いずれのテーブルもキャスター付きなので、座学やグループ学習など学びのカタチに合わせて動かすことは可能。個人ワークからグループ学習、伝統的な一斉講義など、必要に応じて空間構成を変更しながら使っています。」(同)

「MILAiS」で日々生まれてゆく学びの新たな可能性

09.JPG

「『MILAiS』では、日々さまざまな授業が行われています。たとえば、飯塚キャンパスの『MILAiS』では、コンピュータを各テーブルに配置し、全員参加でプログラミングの授業を展開することもあります。また、戸畑キャンパスの材料力学の授業では、学生たちがデジタルペンを使って計算し、それぞれの回答や教授の講評を教室全体で共有し、学びを深めていますね。それと、『MILAiS』の特徴のひとつが、教室に教壇や教卓がないことなのですが、先生が学生のテーブルの周囲をぐるぐる回る機会が増えたことで、教員と学生のコミュニケーションが増えたという意見も多く聞かれます。」(同)

 

教員を対象にした「MILAiS」利用実態のアンケートでは、「事前にグループワーク用にテーブルをセッティングできるので、授業中の時間の無駄がなくなった」、「生徒が活発に動くようになった」、「生徒の理解度を把握しやすく、ICTを活用してフィードバックが迅速に行えるようになった」等の意見寄せられました。

 

一方、この日教室にいた学生に話を伺ったところ「隣の人との距離感が近いので、意見が交わしやすい」、「円形に組み合わせた勾玉型テーブルだと、ディスカッションが盛り上がる」、「高校時代まで慣れ親しんだ教室と雰囲気がガラッと異なるので、モチベーションが上がる」といった声が聞かれました。「MILAiS」には、“学び方を学ぶ”をテーマに活動する学生スタッフも常駐。この空間を活かしたイベントやワークショップなども多数企画されていると言います。

 

「議論や発表などを通じたインタラクティブな授業を展開することで、学びを深められるのが『アクティブラーニング』の利点。九州工業大学の学生の多くは、卒業後にエンジニアやビジネスマンとして国内外に巣立っていきますが、多くの企業や組織では、個人ではなくチームで助け合いながら仕事を進めていくことが多いでしょう。学生時代に『MILAiS』で経験したディスカッションやプレゼンテーションの経験は、彼らが社会に出た時に活かされる。その点について、一定の手応えを感じています。今後は、図書館のラーニングコモンズをはじめとする学内の施設と連携し、さらなる学習環境の向上を目指す『インタラクティブ・ラーニング・コンプレックス構想』も進めていく予定です。」(同)

学びをもっと自由にする、ツール選びのポイントとは!?

1. テーブル   動きのある授業に求められる機動力と可変性

table.jpg
DISCUSSION_1224-02.jpg

グループディスカッション

個人がメモを取れるくらいの机上面を確保しており、学生が動きやすいこと。

WORK_1225-01.jpg

グループワーク

グループで資料を共有したり書いたりできるよう、机上面が広く繋がっていること。

TB_1224-01.jpg

一斉講義型の授業を「静」とするなら、アクティブラーニングは「動」。それぞれにテーブルに求められる役割も異なります。たとえば一斉講義型の授業に適しているのは、教材をおきながらしっかりと筆記できるスペースがあり、机同士を横に並べやすい「リーフライン/Sスクエア天板タイプ」のようなテーブルです。一方、生徒の能動的な学習を前提としたアクティブラーニング授業の場合、キャスター付きで移動しやすいテーブルが適しています。たとえば、机上面をつなげて使うことができる、「CampusUP フラップテーブル (勾玉・台形・リボン・ひし形)」は、グループで資料を作成・共有するのに適したテーブル。また、ディスカッション中心の授業を展開するなら、学生が自由に動きやすく、一人ひとりがメモを取るスペースを備えた「Campus UP チェア (メモ台・荷物トレー付)」を、テーブルの代わりに使用するのもおすすめです。

2.イス   学生の多様な姿勢をサポートできること

chair_graph.jpg
DISCUSSION_1224-02.jpg

グループディスカッション

個人がメモを取れるくらいの机上面を確保しており、学生が動きやすいこと。

WORK_1225-01.jpg

グループワーク

コンパクトで学生が動きやすい、12の姿勢を実現できること。

chair_1224-01.jpg

「講義」や「実習」、「議論」、「発表」などが行われるアクティブラーニング授業では、学生たちがさまざまな姿勢をとりながら活動します。アクティブラーニングに求められる椅子の条件は、それらの多様な姿勢を、しっかりとサポートすることです。たとえば、学生の行動観察を何度も行って製品開発をした「Campus UP チェア」は、座る、書く、もたれる、のりだす、ねじる、ちかよる・・・など、アクティブラーニング授業中に学生がとる代表的な12の姿勢をサポートする設計。移動に便利なコンパクトさはもちろん、個人ワークからグループのディスカッションまで、アクティブラーニング授業に幅広く適応します。「Campus UP チェア (メモ台・荷物トレー付)」のようにメモ台を備えた椅子もあるので、学習スタイルに応じて選択してみてはいかがでしょうか。一斉講義型の授業の場合、座り心地がよく講義に集中できる椅子を選択するのがポイントです。

3.ホワイトボード   個人/グループそれぞれに最適なものを選べること

WB.jpg
KOJIN_1225-01.jpg

「個人思考」中心型

個人が手元で書けるよう取り外しができ、発表シーンで見やすさ対応がされていること。

GW_1225-01.jpg

「グループワーク」中心型

ボードを机の際まで寄せて、座ったまま書きやすい。また、メンバー全員の顔を見渡せ議論が活性化できる。

1224_WB-01.jpg

アクティブラーニング授業でホワイトボードを使用する割合は96%にも及びます。この事実が物語る通り、学生たちがグループで考えをまとめ、発表するためのツールとして、ホワイトボードは大きな役割を担っています。ただし、ひと言でホワイトボードといっても、その大きさや機能はさまざま。展開する事業スタイルに合わせたアイテムを選ぶことが大切です。たとえばグループワークには、ボードを机の際まで寄せて座って書くことのできる「Campus UP アクティブボード」が活躍します。メンバー全員の顔を見渡しながら、自身の考えを発表できるので、活発な議論と思考の飛躍に役立つはずです。また、より個人的にホワイトボードを使うなら「ピアット」のような小型ホワイトボードを選ぶのもおすすめ。手元でそれぞれの考えを書き込めるのはもちろん、取り外して使えば発表にも役立ちます。

◼︎お問い合わせはコチラ

 

2015.11.09
"Fab"なものづくりで、教育家具が変わる!? 「教室の進化論-小学校の家具は3Dプリンタで進化する-」 イベントレポート
2016.02.01
多様な学びをシームレスにつなぐラーニングコモンズ ~「千葉大学附属図書館」事例レポート~

ソリューション

  1. トップ
  2. トピックス
  3. 学びはもっと自由になれる! アクティブラーニングスタジオの可能性とは ~九州工業大学「MILAiS」事例レポート~
TOP