コクヨファニチャー株式会社
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コクヨ サマーインターンシップ2016 「Make-a-thonコース」 イベントレポート

2016年8月22日~26日、9月10日の6日間にわたって「コクヨ サマーインターンシップ2016  Make-a-thonコース」を開催しました。参加したのは学術領域の異なる15名の大学部生と大学院生。長らく進化することのなかった教育家具の新しい形、小学校の新しい学びのスタイルを探るため、参加者たちに与えられたテーマは「家具と文具の間」。5つのグープに分かれ、アイデアを出し合い、コンセプトを決め、中間プレゼンテーションを経て、最終的に多様なバックグラウンドで培われた柔軟なアイデアが生まれました。

学生の柔軟で多様なアイデアで、モノの存在意義をゼロから再構築

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今回のサマーインターンシップは、2015年9月に開催された「教室の進化論-小学校の家具は3Dプリンタで進化する-」に続く2回目のMake-a-thon方式のワークショップ。「Make-a-thon」とは、限られた期間でアイデアを形にする、ものづくりのマラソンです。6日間のレクチャーとワークを通じて、テーマに沿ったアイデアとプロトタイプを作成してもらいました。

 

Make-a-thon方式のワークショップを企画した背景のひとつには、長らく形を変えていない教育家具への疑問がありました。時代は変わり、求められるスキルは多様化しているのに、それを培い、育てる学びの現場はあまり変化していません。家具をはじめとする学びの環境は変わらなくていいの?と考えたのです。

 

このような課題に向き合い、解決策を模索するためには、自社だけでなく、外部の力も借りた「オープン・イノベーション」なものづくりに取り組むことが必要です。自社内で議論しているだけでは気づくことのなかった、新しい価値を持ったものづくりのプロセスを作り上げられるはず、との思いが今回のサマーインターンシップ開催に繋がりました。

アイデアを形に落とし込む作業に悪戦苦闘

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参加者に与えられたテーマは「小学校の新しい学びを実現するためのプロダクト ~家具と文具の間~」。今の教育現場、とりわけ小学校で足りていないもの、これから求められるものについて考える事から始めてもらいました。5日間にわたってアイデアを出し、プロトタイプをつくる作業に取り組むわけですが、前半は主にインプット。

 

ワークショップの概要や心構えといったオリエンテーション、社会に出てからの働き方の授業だけでなく、最前線で活躍しているデザイナーからも、デザイン現場の“今”を伝えてもらいました。登場してもらったのはTAKT PROJECTの吉泉聡さん。「別の可能性探索~書き留めるプロダクト~」がテーマの講義に続いては、言葉から新しいアイデアを生み出ることがあるという実例を体験してもらうための「ワードオブザベーション」という手法を使ったワークショップ。例えばペンなら「きれいに書ける」「濃く書ける」、ノートなら「持ち運べる」「すぐ書ける」といった具合に、それぞれのプロダクトにどんな価値軸があるのかを書き出すことで洗い出していきます。そして、交わることはないと考えられている価値軸、真逆の概念を組み合わせることで、新しいプロダクトが生まれることがあるということを学ぶのです。一例として、ウォークマンがこうした相反する価値を組み合わせることで生まれたものだという説明を聞いて、参加者から感嘆の声が上がっていました。

 

後半は、アウトプットの段階です。オープン・イノベーションなものづくりの第一人者、小林茂さんを講師に迎えたワークショップを繰り広げつつ、学校の課題を考えていく時間がスタートしました。ここで活躍したのがMESH。LEDや人感センサー、ボタンなど、さまざまな機能を持ったブロック状の電子タグのことで、例えばドアを空けると挟んでおいた黒板消しが落ちてきて、それをタグが感知してスマホが自動的に写真を撮ると言った風に使用。何かひとつアクションを加えることで、面白いことが生まれるということを体感してもらいました。

 

本格的なものづくりがスタートすると、学校の課題を挙げてメンバーで共有し、フィードバックするという繰り返しが続きます。学校生活で辛かったこと、もっとこうだったら楽しかったのに、といった自身の経験も踏まえた意見が活発に飛び交いました。

 

いよいよワークショップの最終日となった5日目。ある程度固まりつつあるアイデアを、ダンボールや粘土を使って形にする作業が始まります。午後の中間プレゼンテーションに向けて、学生たちも必死。「コクヨとしてのビジネスモデルとは?」「学校がモノを購入するときの選択基準とは?」といった、メンターを務めたコクヨ社員に対して具体的な質問が浴びせられるようになっていきます。そして、いよいよ緊張の中間プレゼンテーション。それぞれのグループの力作が発表されました。

2週間の成果が問われる最終しプレゼン

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再びすべての参加者が集まった最終プレゼンテーションは9月10日。中間プレゼンテーションから2週間の製作期間で、プロトタイプをどれだけブラッシュアップできたのかが問われます。この間、参加者たちはフェイスブックやラインで連絡を取り合い、スカイプでミーティングをし、時にはカフェや自身の研究室に集まって作業を進めました。大学の勉強もしつつ、空いた時間でメンバーの意見をすりあわせて実際にモノを形にしていくのは相当にハードだったのではないでしょうか。

 

15時からの最終プレゼンテーションに向け、この日も朝早くから会場で最後のツメを行うグループが見られました。最後までプロダクトの手直しに取り組む人、プレゼン資料を復唱する人など、参加者の緊張がこちらにまで伝わってくるようです。そして、いよいよはじまった最終プレゼンテーション。まず発表されたのは、「掃除の時間を学びの時間に」というテーマで製作された掃除道具ラック。小学校における掃除の時間は、協調性や、効率化をはかるための能力を養う時間になりうるというコンセプトのもと、どうやったら小学生が積極的に、かつ楽しく掃除に取り組むようになるかを追求したプロダクトです。販売想定価格も設定し、メディアに露出した際のイメージまで想定された、非常に具体性の高いプレゼンテーションになりました。

 

その後に発表されたプロダクトも、非常に多様性に富んでいました。小学生のコミュニケーションの場をつくり出すボードウォール、コミュニケーションのきっかけを創出する新しいタイプの名札、成長に伴う持ち物の変化に対応する組み換え式のロッカー、子どもたちの話し、聞き、相手の意見を尊重する力を養うための付箋タイプのコミュニケーションツール。中間プレゼンテーションからガラリとコンセプトを変えたグループもあれば、コンセプトはそのままに洗練度を高めたグループもあり、それぞれのグループの苦労の跡がありありと感じられます。中にはそのまま商品にしても大丈夫なくらいクオリティの高いものも。とても2週間で制作したとは思えない出来栄えには驚かされました。

 

最後は、プレゼンテーションを見守った約10名のコクヨ社員からの質疑応答と、スカイプで参加した小林茂さんからの論評。「ビジネス的に十分採算が取れそう」「さまざまな角度から価値が検証されているのがいい」といった賛辞だけでなく、「アイデアはいいけどプレゼン力が弱い」「概念に走りすぎてモノとしての魅力に乏しい」といった厳しい意見にも、参加者たちは真剣に耳を傾けていました。

オープン・イノベーションなものづくりの重要性を再確認

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6日間にわたったサマーインターンシップは、こうして幕を閉じました。さまざまなバックグラウンドを持つ参加者たちのアイデアが見事に融合したプロダクトは、非常に完成度の高いものでした。

 

今までのものづくりのスタイルだと、時代についていけなくなることは明白です。幅広い分野、幅広い年代の意見やアイデを取り入れ、融合させるオープン・イノベーションなものづくりこそが求められているのだと思います。そういった意味では、学術領域の異なる学生たちの間に活発な議論が生まれ、ユニークなプロダクトができあがるのを見られたのは、とても有意義でした。

 

「普段は話すことのない他分野の学生と意見を交わし、予想もしないレスポンスが返ってくる体験は刺激的だった」「自分の意見を伝えるだけでなく相手の意見を聞き、理解できるまで話し合うことの重要性を知った」「コンセプトをモノに落とし込むプロセス、さらにそれをビジネスにする大変さに気がついた」最終プレゼンテーションを終え、緊張感から開放された学生からは、6日間の充実度を物語る意見が聞かれました。サマーインターンシップは、参加者にとっても有意義なワークショップとなったようです。

 

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