自治体庁舎とユニバーサルデザイン

4回 3要素その(3)・家具

 3要素の最後の1つは家具です。その1のサイン、その2の動線は庁舎を利用する人の身体に直接触れる要素ではないですが、家具だけは直接触れて使用するものであり、それゆえユニバーサルデザインであることが非常に重要だと言えます。

利用者の数だけ使い方がある

 自治体庁舎を利用する人が申請書を書いたり、ロビーで順番を待ったり、カウンターで相談したりする際、直接身体に触れる家具が誰にとっても使いやすいものであれば、快適に利用することができます。また自治体庁舎は初めて訪れる利用者が多いということを考慮した際、そこに置かれている家具は、「どうやって使うか」が誰でも直感的にわかることが重要ではないでしょうか。

 来庁者の大半が利用する、ロビーチェアーを例にご説明します。
来庁者の中には、盲導犬など介助犬とともに利用する人がいます。そういった利用者が窓口で待つ際は、介助犬と一緒に待つことになります。その際ロビーチェアーの下に十分な空間があれば、介助犬はそこに入って待つことができます。一方ソファタイプではロビーチェアーの下に入れないため、待機時は通路をふさぐ形になってしまいます。

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 その他にも、背もたれにしっかりよりかかりたい人、横向きに座りたい人、立ち座りの手がかりが必要な人...など、同じ「座って待つ」という行動でも、その時の動作は一様ではありません。「こう使って」と、一通りの使い方しかできないのではなく、ひとつひとつの動作において、それぞれの人がそれぞれのやり方で、無理なく安全に、気持ちよく使うことができる家具が、ユニバーサルデザインであると言えるでしょう。ですから自治体庁舎の家具を選ぶ際は、コストだけではなく、ユニバーサルデザインの観点から選ぶべきだと言えます。

最後に

 コクヨが考える、自治体庁舎のユニバーサルデザイン3要素については以上となります。バリアフリーではなくユニバーサルデザインで考えること。またそのユニバーサルデザインはサイン・動線・家具という3つの要素で実現すること。そのことを忘れずに、"オンリーワン"の庁舎を目指しましょう!

(作成/コクヨ)

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