1960年(昭和35年)ファイリングキャビネットを発売

紙から鉄へ、第二の創業
文書ファイルを機能的に収納するファイリングキャビネットは、コクヨ初のスチール製品。紙製品一筋に半世紀近く歩んできたコクヨにとって、第二の創業とも呼べる、新分野への挑戦でした。ファイリングキャビネット自体は、すでに市場にありましたが、ほとんどが日本の実情に合わないアメリカ仕様。コクヨは、紙製品メーカーの経験と実績から、ユーザーの声を反映させたファイリングキャビネットを実現することができたのです。

大胆な挑戦の背景には、用意周到な戦略
「紙から鉄へ」の挑戦は、一見無謀にも思えますが、背景には用意周到な事業戦略がありました。まず、当時高度経済成長により企業、官公庁で増大の一途をたどる文書を効率的に管理するノウハウ(ファイリングシステム)とサプライズ(紙製品)の需要が高まりつつありました。ところが、すべてを同時に提供できるメーカーは皆無。さらに、コクヨには、専門代理店という強固な全国販売ネットワークを通してスムーズにお客様にサービスを提供できるという強みがありました。こうして、単に「鉄の箱」を売るのではなく、文書の保管テクニックを同時に提供するという、コクヨならではのファイリングシステム販売体制を確立することができたのでした。

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