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オフィスの最新キーワード「ウェルビーイング」とは?

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最近、ワークスタイルやオフィス変革のキーワードとして、「ウェルビーイング(Well-being)」という言葉が注目されています。最先端のオフィス空間と働き方を紹介するコクヨの研究機関誌『WORKSIGHT』でも、最新号で「ウェルビーイング」を積極的に取り入れたオフィスを特集しています。欧米を中心に、最先端の企業が取り組む「ウェルビーイング」とは、いったいどういうものなのか。そして、なぜ今「ウェルビーイング」が注目されているのか。『WORKSIGHT』編集長の山下正太郎さんに話をうかがいました。




■「ウェルビーイング(Well-being)」とは?

いろいろな言葉に訳されていますが、一番多く使われている言葉は「幸福」。オフィスで働く人々が身体の状態はもちろんのこと、人間関係や働き方、精神的な面においても健やかで、人間らしい生活を送れているという状態を目指すキーワードです。

 

■なぜ今、「ウェルビーイング」が注目されるのでしょう? yamashita-san.png

多くの企業は、もともと「社員の健康管理」という概念をもっています。しかし、それは高度経済成長期、工場で大量生産を進めていた時代から脈々と受け継がれてきたものです。工場などで働く人々が健康を害さないように、つまり「労働が社員にとって悪にならないように管理する」ものでした。
こうした健康管理は"マイナスからゼロ"を目指すものであり、最近では社会状況の変化などによって、がらりと変わりつつあります。そこで注目されてきたのが、「ウェルビーイング」という考え方です。心身の状態だけでなく、人間関係や働き方までも含めた概念として "ゼロからプラス"を目指すものです。従来の健康管理=コストという考えではなく社員への投資として言っていいでしょう。この「ウェルビーイング」という積極的な施策が世界各国で注目され始めた背景には、次の2つの理由が挙げられます。

1. 優秀な人材の減少?
ITや生産技術の発達により単純な事務仕事は減り、高い課題解決能力を持った人材が必要とされている。一方で労働人口が減り、企業にとって優秀な人材を確保することが課題となっている。優秀な社員に長く健やかにいてもらうため「ウェルビーイング」に配慮することが必要となった。

2. 会社を選択する際の個人の意識の変化
給料を高く設定すれば優秀な人材が集まるという状況ではなく、会社を選ぶ際、「いかに自分らしく、気持ちよく働けるか」「長期に渡って心身ともに健やかに、人間らしく働けるか」を重視するように、個人の労働意識がシフトしてきた。

 

■「ウェルビーイング」に積極的な国は?

率先して「ウェルビーイング」に取り組んでいる国は、アメリカです。自己破産の理由の1位が医療費というほど、アメリカの医療費は高額です。そのため、人々は健康を害することへの予防意識が強く、企業も積極的に施策を打っています。そのほか、昔から社会保障が発達しているヨーロッパも、「ウェルビーイング」に対する意識が高いようです。
アメリカもヨーロッパも激しい競争社会にさらされていて、優秀な人材を確保することが常に企業の重要課題となっています。この点も、「ウェルビーイング」に積極的である大きな理由といえるでしょう。

 

■とくに最近、「ウェルビーイング」で注目されている国は?

いま最も注目されている国はオーストラリアです。オーストラリアは生活環境がよく、世界の「住みやすい都市ランキング」でも、いくつかの都市が常に上位を占めています。"暮らしやすさ"と"働きやすさ"が両立された国と言えるでしょう。
加えて、オーストラリアは、面積が日本の約20倍で人口は7〜8分の1。人材が各地域に散らばっているので、企業にとっては優秀な人材を確保し、長く働いてもらうのが難しい状況です。特に国の中心的な産業である金融・保険業界では「ウェルビーイング」に特化したオフィスが増えています。
さらに、オーストラリアは環境保護に積極的に取り組んでいたこともあり、環境を守る技術が進んでいます。"地球にやさしい=人間にやさしい"建物やオフィスがたくさん存在してきた背景があります。こうしたバックグラウンドから、社員にやさしい「ウェルビーイング」という考えが浸透しているのです。
コクヨの研究機関誌『WORKSIGHT』の最新号でも、オーストラリアのオフィス事例を取り上げています。
 

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                                           出典:WORKSIGHT 08号

■『WORSIGHT』では、どんなオフィスを紹介していますか?

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大手保険会社メディバンクの新オフィスと「ウェルビーイング」の取り組みを紹介しています。
新しいオフィスビルをつくるにあたり、メディバンクは「働き方のみならず、組織文化を変える」という方針を打ち出しました。保険は生活の安全を守るもの。であれば、社員の働き方・生き方も向上させていこうという経営者の思いから、働く場所・時間を固定せず、仕事内容や成果を重視する「アクティビティ・ベースト・ワーキング(ABW)」を導入しました。円卓を囲むミーティングスペースや個人で利用できるブースなど多彩なワークスペースを設け、ひとつのデスクに縛られることなく一日を過ごせるうえ、オフィス中央の吹き抜け脇に各フロアをつなぐ階段を配し、「社員がよく歩く」空間を実現しています。さらに、ビタミンカラーを取り入れたり、自然光が降り注ぐデザインしたりすることで自宅のような心地よさを実現したことも、社員の心身の健康増進につながっています。

出典:WORKSIGHT 08号

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そのほか、ナショナル・オーストラリア銀行のオフィスも紹介しています。

「顧客が安心して利用できる銀行としての環境づくり」を目指してつくられたオフィスは、銀行とは思えない開放的な空間nab2.pngです。吹き抜けのオフィスに自然光と植物をふんだんに取り入れ、伸びやかで居心地のいいスペースに仕上げました。また、自然環境にも配慮した輻射空調を全面的に導入し、はエネルギー消費量を抑制しつつ、静かで新鮮な空気を供給しています。自然環境だけでなく社員の体にもやさしく、集中して仕事に取り組めます。

 

 

出典:WORKSIGHT 08号 

 

■日本における「ウェルビーイング」の取り組みは?

日本の「ウェルビーイング」への取り組みは、まだまだこれからです。「ウェルビーイング」はオフィスデザインだけでなく、働き方の仕組みも変えていく必要があります。最近、ある企業が上限日数のない在宅勤務制度を導入するなど、日本でも多様な働き方を実現する取り組みが行われていますが、まだまだ少数です。その理由として、以下が考えられます。


1. 日本は他国に比べ、医療費が安く、他国ほど社員の健康意識が育っていない

2. 長期雇用の制度が定着し、他国に比べ人材の流動性が低い
3. オフィスや働き方の良し悪しがタレント確保・リテンションに結びつきづらい)


とはいえ、様相は変わってきています。一般に"スタートアップ"と呼ばれるIT系のベンチャーを中心とした企業は、アメリカなどと同様に人材獲得競争が激しく、会社に留めておくためオフィスに投資しており、「ウェルビーイング」も意識しています

 

■今後、日本のオフィスに求められることは?

これまで企業では、「アブセンティーイズム=会社を欠勤すること」が問題視されていました。しかし最近は、「プレゼンティーイズム=出勤していても、心身の不調などで能力を発揮できていない状態」のほうが、企業に損失を招くと考えられ始めています。また日本も少子高齢化社会を向かえ労働人口が減少していきます。ウェルビーイングに配慮しない企業は人材獲得の面で不利にもなります。今後は働き方、働く環境両面から施策を講じることが必要になってくるでしょう。

 

■日本で「ウェルビーイング」に取り組むには?

日本は先に述べたように、ウェルビーイングが浸透しにくい環境にあります。ただ、最近話題になっている「ナッジ=ちょっと背中を押す」という考えがヒントになるかもしれません。オフィスデザインや働き方の中に、社員の背中をちょっと押して、働きやすくする工夫が求められるという意味です。例えば、社員食堂のメニューを健康に配慮したものに変えるなど、社員全員が等しく享受できるものであれば、取り入れやすいかもしれません。
また、環境に配慮した建物に与えられる「LEED認証」のように、ウェルビーイングに配慮したワークプレイスに与えられる「WELL認証」といった制度も登場してきています。取組みのインデックスとしてこうした認証を活用するのも一つの手でしょう。
これからコクヨも率先して、「ウェルビーイング」を実現するシステムやオフィスを提案していきたいと思います。

 

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